世界の陶磁器の故郷、景徳鎮。中國江西省東北部に位置し、中國を代表する名窯でもある。陶磁器の生産地としてその名を馳せ、その歴史は漢代までさかのぼることができる。今回は陶磁器の里、景徳鎮をご紹介したい。
■景徳鎮市(けいとくちんし)
陶磁器の生産地として世界的な知名度を誇る景徳鎮は、中國の「磁都」と呼ばれている。昌江の南にあることから、かつては昌南鎮とも呼ばれた。1700年以上の歴史を持ち、古くは漢代まで遡ることができる。ヨーロッパやイスラム圏などの海外諸國にも広く輸出され、陶磁器の産地である昌南(しょうなん)は英語の「CHINA」の語源にもなったと言われる。景徳鎮の陶磁器は、數多くの権力者をも魅了してきた。北宋の景徳年間(1004~1007年)、當時の皇帝真宗は、その透き通るような白磁に魅せられ、磁器の底に「景徳年製」と入れ、昌南鎮を「景徳鎮」と改名させたほどである。
現在、景徳鎮市では市民の7割が磁器産業に攜わっており、2千以上の陶磁器製造工場がある。
湖田古窯は、宋代(960~1279年)?元代(1271~1368年)において、最も美しい磁器が生産され、最も長く使用され、規模が最も大きい古窯として知られる。遺跡の保存狀態は非常に良く、遺跡の上部には湖田古窯遺跡陳列館が創設されており、遺跡より出土した磁器や道具などが展示されている。1982年に政府より全國重點文物保護単位に指定され、現在は観光客に開放されている。40萬平方メートルを超える遺跡では中國陶磁器の歴史と陶磁文化を垣間見ることができ、人気の観光スポットとなっている。
■景徳鎮陶瓷民族博覧區
景徳鎮陶瓷民族博覧區は、景徳鎮市にある陶磁器のテーマパークである。博覧區は、古窟と陶瓷民族博物館の2つの部分に分かれていて、古窟では、磁器の絵付けの體験ができるほか、陶磁器の伝統的な製造工程を再現した実演が特に人気を呼んでいる。また、陶瓷民族博物館では、様々な陶磁器が展示されており、陶磁の陶磁製作に攜わる人々の歴史も観ることができる。また、陶器で作った楽器での演奏も人気を呼んでいる。陶器楽器が奏でだす澄んだ音色は、遙かなる時を越えて観客を魅了してやまない。